レポート
▶︎レポーター
高崎 大輔 人間環境学部同窓会事務局 第5期生(2006年度卒業)

開催概要
- 開催年月日 2024年8月26日(月)~29日(木)
- 参加メンバー
- 事前学習会
1.学習のポイント
・震災前の福島県と首都圏との関係戦後の高度経済成長や電化の発展において、福島から首都圏へ石炭や電力を供給した背景
・震災当時の被災・被害状況
地震、津波、放射能、風評、間接的なもの
・現地の状況
処理水の海洋放出(2023年8月24日開始)による地元への影響
廃炉、除染、帰還、補償と賠償
・電力システムの構造(旧一貫体制から発電・送配電・小売へ分離)
固定買取価格制度(FITやFIP)について理解する
特定送配電事業について理解する
・電源構成の変化(脱原発から脱炭素)
再エネが急成長した制度面の整備および導入による地域への経済効果など
原子力発電の再稼働による影響(安定供給、経済、環境)
・地域復興の進捗 過疎・過密、経済、雇用、農林漁業、伝統、スポーツ、観光など
2.行程
(第1日目)



(第2日目)



(第3日目)


(第4日目)




さいごに
まず、松本先生、渡邉先生からコーディネートの依頼をいただき、ありがとうございました。現地との調整や昨年から継続して伝えるべきこと、また、現地は復興途上にあり、日々刻々と変化しているため、その変化を伝えることに力を注ぎました。菅野さんには、解体された実家前で幼少期のことやご家族とのエピソードを語っていただきました。気持ちの整理ができない中、今回の依頼に対し、快諾していただき、ありがとうございました。被災者の生の声を伝えていただき、学生にもっとも印象に残ったと思います。 今回は、中間貯蔵施設、廃炉資料館、伝承館、水素製造など施設を実際に見て、現地の方から説明を聞くことに充実させ、また、地元住民と対話する時間を設けました。
双葉駅前の復興公営住宅での住民との対話で、避難先から帰還される方、また、首都圏から若い世代の方々が新たに移住されていることを聞いた。
葛尾村では、地元電力会社から事業概要に説明をしていただき、また、現地では、約1メガワットの太陽光発電設備や蓄電池などを案内していただきました。その中で、事業の採算性や自然災害による停電時の対応など諸課題があることについても伝えてもらいました。村内工業団地へあらたに創業されたバナメイエビの養殖工場を見学させていただき、進出に至った経緯、エビの特長、今後の展望等についてお話を聴かせてもらいました。
最終日には、いわき市豊間地区の語り部ボランティアさんから現在は防潮堤へ造成されたかつての海岸線の住宅地で、地震災当日に津波に逢った話を写真などを用い、伝えてもらいました。その後、この災害を教訓に高台の公園に設置された防災設備や町内の取組について伝えてもらいました。
毎晩、学生から班別のふりかえりと報告会をおこない、充実したツアーとなりました。著しく復興が進む地域を中心に視察をおこなってきましたが、一方いまだに避難指示が解除されず、震災当時から時が止まった地域があることを忘れてはいけません。
今後においても現地の動きに注目して、情報収集につとめていきます。
以上